3037793取りあえず、2年間も住み込みでピアノと即興演奏、作曲にかかる基礎を学んだ訳ですから、フンメルの作品にモーツァルトにそっくりな曲が多いのは納得できます。

というより、この時代の様々な作曲家の作品を聞いても、モーツァルトの作風に一番近い人で、その完成度も高かった人はフンメルと思っています。
特に初期のピアノ曲やピアノ三重奏曲、ヴァイオリン、ヴィオラ、フルート等のソナタはそっくりです。真似てもここまで美しい曲を書ける人がいるでしょうか? という程です。

フンメルの残したモーツァルトに関する「回想録」も残っているそうですし、下記の作品は直接モーツァルトの作品を取り上げたり編曲したものです。

Op.94◆ヴィオラとオーケストラの為の幻想曲とポプリ ト短調
 *ドンジョヴァンニとフィガロ、後宮からの誘拐の音楽が使われています。

Op.63◆グランド・セレナーデ第1番 ト長調,Op.63
Op.66◆グランド・セレナーデ第2番変ホ長調,Op.66
  *二曲とも様々な当時のヒットソング(主にオペラ)からのポプリです。ティトース序曲やフィガロのメロディーなどが取り上げられています。
これは、ワン・ドゥッカーテンコンサート(カフェでの庶民向けサロンコンサート)で、ギターのジュリアーニやヴァイオリンのシュポアらと共に演奏されたらしいです。夢のようなサロンコーンサートですね。

Op.34-3◇3つの変奏曲,Op.34の第3番「モーツァルト「後宮からの誘拐」による変奏曲 ハ長調」
S.27◇幻想曲 変イ長調,S.27(1799) 「ハイドンとモーツァルトの主題による」
Op.124◆幻想曲 ハ長調,Op.124 「モーツァルトの"フィガロの結婚"による」


S.112-113◇選び抜かれた24の序曲による四重奏曲編曲(1821) 「魔笛」序曲/「フィガロの結婚」序曲
S.138〜144 ◇モーツァルトの7つのピアノ協奏曲による四重奏曲編曲(K.466、K.503、K316a、K.491、K.537、K.482、K.456)
S.151〜156 ◆モーツァルトの6つの交響曲による四重奏曲編曲(K.504、K.550、K.543、K425、K.385、K.551)
◇モーツァルトのピアノ協奏曲7曲へのカデンツァ集 (1790s) Op.4a=K.414,Op.4b=K.415,Op.4c=K.413,Op.17a=K.595,Op.44a=K.451&K.459,Op.46a=K.537
  *その他にも交響曲のピアノソロ編曲など多数あります。

中期以降は独自のロマン性を伴った作風や、ハンガリーの民族性などが現れ、ピアノの演奏技巧も含めて独自の作曲家、演奏家としてその地位を確立しますが、ベートーヴェンほど革新派ではなく、あくまでも伝統的な古典的な作品に終始しましたし、死ぬまでモーツァルトの影響と尊敬は持ち続けていたようです。

今日1月27日はモーツァルトの誕生日。256歳です。

 
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