シューベルトが生まれた1797年、フンメルは既にモーツァルトに後押しされたヨーロッパツアーを1793年には終え、ウイーンに戻っていた。
またベートーヴェンもハイドンの手招きにより1792年の末にはウイーンに移住していた。
この二人はピアノの名手・ライヴァルとして活躍しており、新しい世代の幕開けを予感させる時代にシューベルトは幼少期を過ごすこととなる。

さて、話は大きく飛びます。


フンメルとシューベルトが、いつ出合ったのか?


知られている限りでは、1827年にフンメル夫妻は弟子のフェルディナント・ヒラーを伴い、死の床にあったベートーヴェンをウィーンに見舞ったそうです。結局、その後すぐにベートーヴェンが亡くなり、そのままウイーンに滞在していました。この滞在中にフンメルはシューベルトに会ったとされています。フンメルはサービス精神旺盛にも、シューベルトの歌曲<盲目の少年>を基に即興演奏を行って、シューベルトは大いに感銘を受けたと言われています。このお返しかどうか不明でありますが、シューベルトは最後の3つのピアノ・ソナタをフンメルに献呈しており、彼に演奏してもらいたかった、と言っていたそうです。結果的にはこの3つのソナタは、両者の没後に出版されたので、出版業者は献呈先をシューマンに変えました。

また、作品への影響としては、シューベルトは出版社から「フンメルの五重奏」のような曲を書いてくれ、と言われ、結果として完成したのが「ピアノ五重奏曲“鱒”」とのこと。フンメルの五重奏曲とは、Op.74の七重奏曲ニ短調の五重奏曲編曲版とOp.87のピアノ五重奏曲 変ホ短調だと思われます。

性格的には異なる二人の五重奏曲ですが、雰囲気や美しさでは甲乙付け難い名曲で、CD等でもよくこの二曲はカップリングされています。

Piano Quintet in a Flat Major 'trout'/Piano QuintePiano Quintet in a Flat Major 'trout'/Piano Quinte
アーティスト:Schubert
Hyperion UK(2012-01-10)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

昔の出来事を想像するだけでワクワクしませんか?



 音楽ブログランキング にほんブログ村 クラシックブログ クラシック作曲家へ