フリードリヒ・ヴィルヘルム・カルクブレンナー
(Friedrich Wilhelm Kalkbrenner、1785年11月7日 - 1849年6月10日)


Kalkbrennerドイツで生まれ、主にフランスでピアニスト、ピアノ教育者、作曲者として活動した。両親がカッセルからベルリンへ移動する途中で生まれたとされている。パリ音楽院で学んだ後、ウィーンでハイドン、クレメンティ、アルブレヒツベルガーにも学んでいることから、「モーツァルトに学んだ」ということ以外は、フンメルと全く同じである。

パリではピアノの製造会社プレイエルの役員となり、ピアニスト、ピアノ指導者としての名を馳せた。ただ、器具を使っての手首の固定機器の推奨や長時間特訓を特徴とした教育法だったらしい。これらの指導法はフンメルのそれとは全く逆であったのが面白い。


作曲家としてのカルクブレンナーは、ピアノ協奏曲、多くのピアノのための作品や室内楽から宗教曲やオペラなどにも及び、時代的にも、作風的にもフンメルに近いところがある。

パリで大御所として君臨していた時代でも、同郷の先輩・フンメルには敬意を表して接していたらしく、フンメルのパリ演奏旅行の際には、モシェレスらとともに手足となって働いている。

自らをフンメルやベートーヴェンらとともに「古典派」と位置づけていた。次世代のリストやメンデルスゾーンからは、その気取った立ち振る舞いなどを揶揄されたりしていたが、ショパンとは交友を続けていたようである。


さて、今回の第2番と第3番であるが、あくまでもソナタ形式による典型的な古典派協奏曲であるが、そのメロディーはフンメルと遜色ないもの。ショパンが好んだのも理解できるほど繊細な面やロマンティックな雰囲気を持ち、明らかにベートーヴェンの楽派とは違うブラブィーラ演奏を多用しており、装飾やパッセージ等からもフンメルと同様に「ウィーン楽派」の当時の代表的ピアニストだったことも頷ける。

第2番は、トロンボーンを含んだ2管編成オーケストラを持つが、前奏以外は終始伴奏に徹する作風もショパンと同様である。
第3番は、ティンパニーを使用していないが、室内楽的という感じはしない。トランペットのアクセントもある楽曲で、何故ティンパニーを入れなかったのか理解できない。
アダージョ・エ・アレグロ・ディ・ブラヴーラは、当時の流行である演奏会用小協奏曲である。メンデルスゾーンの「華麗なロンド」のような雰囲気で、聞いていてとても楽しい。



同じハワード・シェリーによる演奏で1番と4番に続いてのリリースだが、今回の発売で、全4曲のピアノ協奏曲が聞けるようになったことは嬉しい限り。初期ロマン派が好きな人やフンメルを好きな人、ショパンの協奏曲が好きな人は、是非第1番第4番のCDと合わせて聞いてほしいと思う。


ちなみに、カルクブレンナーのピアノと管弦楽の為の作品は下記の通り(○が付いているのはCD化されて聞けるもの)

○ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調,Op.61
○ピアノ協奏曲 第2番 ホ短調.Op.86
○ピアノ協奏曲 第3番 イ短調,Op.107
○ピアノ協奏曲 第4番 変イ長調,Op.127
 2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 ハ長調,Op.125
 友好の誓約、大ロンドー,Op.66
 ベルリンの魅力、華麗な大ロンド,Op.70
 アイルランド民謡「我が家は冷たき土の上」によるファンタジーと大変奏曲,Op.72
 ロッシーニの歌劇「タンクレード」のアリア「こんなに胸さわぎが」によるファンタジーと華麗な変奏曲,Op.83
 「イギリス国歌」、序奏とフィナーレを伴う華麗な変奏曲,Op.99
 フランス民謡「ジャック兄さん、鐘をついてよ」による序奏と華麗なロンド,Op.101
○アダージョ・エ・アレグロ・ディ・ブラヴーラ 変イ長調,Op.102
 大幻想曲「夢」 変イ長調,Op.113
 カールズバードの魅力、華麗なる大ロンド,Op.174




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