【打込音源紹介】フンメル/ピアノとオーケストラの為の序奏とロンド・ブリランテ「ロンドンからの帰還」Op.127 (1830作)

 
Johann Nepomuk Hummel
Grand Rondo Brilliant in F,Op.127 "Le repour de Lindres"

Sequenced by Mikio Tao
Sequencer:SSW9 Lite
Score creation:Music Pro Windows Plus
Sound:GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 4/ARIA


フンメルのピアノとオーケストラの為の序奏とロンドは、フンメルのピアノ協奏曲の分野における最後の作品であるばかりか、Op.127という作品番号が示す通り、生前出版された最後の作品である。

この作品の副題である「ロンドンからの帰還」とは出版の際に尽力してくれたモシェレスにあてたお礼の手紙の中で書かれていた言葉であるらしい。

フンメルはロンドンのフィルハーモニア協会の初期会員であり、1830年には幼少期以来40年ぶりにロンドンへのツアーを行ったが、戻って1831年に作曲され、1833年に出版された。

へ短調の即興風の序奏から始まるが、フンメルらしい装飾と華麗な装飾によってロマン派の作品と見まがうかのような雰囲気を作り上げている。
ヘ長調のロンドでは一転して明るい行進曲的、またはスコットランド舞曲風の雰囲気のテーマで始まり、技巧的なパッセージを含む第2第主題の経て、幻想的な中間部に入る。クラリネットの落ち着いた静寂のメロディーが次第に激しい感情的な展開を繰り広げ、ピークに達したところでロンドのテーマに戻る。

編成は小さ目で、フルート、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2に弦5部である。そのオーケストラ部分は非常に補助的で、第2、第3主題と中間部のテーマでは管楽器が印象的な扱いをされているものの、弦楽器関しては伴奏に徹しており、主題を奏でたりするようなこともない。

貧弱なオーケストラ部分とは異なり、ピアノ独奏部分は終始演奏し続けなければならず、かなり難しいパッセージを安定したテンポと均整のとれた音を出し続けなければならず、汗をかく大曲ともいえる。また全体を通して陰と陽のコントラストが交差し、聴く者の心を捉える。

この時代の演奏会用協奏曲の名曲である。

なお、CDではF.リースのピアノ協奏曲シリーズを完結させているNaxos盤、ピアノ:ヒンターフーバー、グロット指揮、イェヴレ響




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