新譜の紹介です。
今回紹介するのは、ウイーン古典派のオルガン作品集です。


REGCD476イエイン・クイン/18世紀の響き
モーツァルト、ベートーヴェン、フンメルの作品集
ダブリン大学トリニティ・カレッジのオルガン演奏
THE ENLIGHTENMENT INFLUENCE
Mozart, Beethoven, Hummel. 
Iain Quinn. Organ of Trinity College, Cambridge.



オルガン曲といっても、収録曲の中で純粋にチャーチオルガンのために書かれた曲はベートーヴェンの全長調にわたる2つの前奏曲とフンメルの2作品のみで、その他のモーツァルトの曲もベートーヴェンの曲もすべて「からくり時計」の自動オルガンの為の楽曲です。

今回取り上げることの最大の理由は、私が始めて耳にすることが出来たフンメルの「オルガンのためのリチェルカーレ ホ短調,Op.Posth8」が収録されている為です。Op.Posth7の二つの前奏曲とフーガは、既にCDなどで聞くことができますし、譜面も入手できていたのでDTMでも紹介できました。
<打込音源紹介 YouTube>

さて、そのリチェルカーレですが、厳格な対位法によって作られたフガートです。上昇する半音階の主題、下降する半音階の変形主題が入り混じるバロック的な楽曲で、フンメルらしさは微塵もありません(笑) ハイドンやアルブレヒツベルガーにオルガンや対位法を学んでいた時代の課題曲か習作でしょうか? 私の持っている情報では作曲年代が不明で、遺品の中から死後の1839年に出版されたものですので、これ以上言及できません。

ともかくフンメルコレクションにもう一曲加わったということで紹介いたしました。

ちなみにモーツァルトの3曲はピアノでもオルガンでも多数の録音が出ていますので言及する必要もないでしょう。ただベートーヴェンの「5つのからくり時計のための作品集,WoO.33」は、グラスハーモニカ版で聞いたことがある程度で、これは滅多に聞けない小品集です。
しかしこれまたベートーヴェンらしさが微塵もありません(笑) 古典派のピアノ練習曲でもいいのでは?的な曲です。
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