ベートーヴェンとフンメルについては、本サイト「フンメルの研究ノート」でも掲載しておりますが、ウィーンのピアノ演奏家として最高の地位を争い、お互いが定期的に演奏会を開催し、弟子・支援者がお互いに相手を批判するなど、この時代の音楽ファンの定番ネタの一つでした。


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 当人はお互いが相手の演奏会に出かけ、意見の交換や批評をやり取りしたのである。フンメルがまだ10代の時に8歳年上のベートーヴェンは既にモーツァルトの未亡人の為の慈善演奏会や多くのブルジョア階級と付き合い、多くのパトロンを得ていた。しかも就職という事に固執せず、芸術家の地位を高めようとしていた。

 フンメルは早い段階でベートーヴェンの才能が巨大であることに気付いていた。そしてその才能に尊敬の念を抱いていたが、やがて自信喪失になっていった。ベートーヴェンの生み出す新作作品には、新しさと才能に溢れる、他の作曲家には見られない独自性があった。特に彼の交響曲は他の追随を許すものではなく、巨大な芸術として君臨した。

 ベートーヴェンとフンメルについては、PTNA【19世紀のピアニスト列伝】
にもその関係性が詳細に説明されていますので是非目を通してください。



 さて、私はベートーヴェンも未完の曲を含めてほぼ全作品を聴いています(もちろん覚えていない曲もたくさんありますが)。
 そんな中で一番聞くことが多い(再生回数の多い)曲は、交響曲でもなく協奏曲でも弦楽四重奏でもピアノソナタでもありません。

ベートーヴェンの一番好きな曲=一番よく聴く曲

 それは、七重奏曲変ホ長調Op.20 です。


 この第一楽章の流れるようなアレグロ・コン・ブリオ。気分が爽快になります。すこし気分がさえないときにも、調子がいい時にも心に入ってきます。

 そして、今回紹介するのはフンメル編曲版の演奏です。原曲がクラリネット(B♭管)、ファゴット、ホルン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスなのに対して、フンメル編曲版はピアノ、フルート、ヴァイオリン、チェロです。フンメルはベートーヴェンの交響曲を1番から7番まで同様の編曲をしていますが、サロンや室内で気軽に聴けるバージョン、ということで編曲したのでしょうか?

 第1楽章だけでも聴いてほしいですね。原曲とはまた違った音色にもご注目。

ベートーヴェン作曲「七重奏曲変ホ長調Op.20」:フンメルのピアノ四重奏編曲版


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