フンメル研究ノート〜Review〜

ヨハン・ネポムク・フンメル(Johann Nepomuk Hummel)の個人研究サイトのレビューページ。CD紹介をはじめ、フンメル関連ニュース等を紹介していきます。 ●フンメル研究ノート●http://hummelnote.wix.com/hummelnote

2012年03月

カルクブレンナー ピアノ協奏曲集(ハワード・シェリー)

フリードリヒ・ヴィルヘルム・カルクブレンナー
(Friedrich Wilhelm Kalkbrenner、1785年11月7日 - 1849年6月10日)


Kalkbrennerドイツで生まれ、主にフランスでピアニスト、ピアノ教育者、作曲者として活動した。両親がカッセルからベルリンへ移動する途中で生まれたとされている。パリ音楽院で学んだ後、ウィーンでハイドン、クレメンティ、アルブレヒツベルガーにも学んでいることから、「モーツァルトに学んだ」ということ以外は、フンメルと全く同じである。

パリではピアノの製造会社プレイエルの役員となり、ピアニスト、ピアノ指導者としての名を馳せた。ただ、器具を使っての手首の固定機器の推奨や長時間特訓を特徴とした教育法だったらしい。これらの指導法はフンメルのそれとは全く逆であったのが面白い。


作曲家としてのカルクブレンナーは、ピアノ協奏曲、多くのピアノのための作品や室内楽から宗教曲やオペラなどにも及び、時代的にも、作風的にもフンメルに近いところがある。

パリで大御所として君臨していた時代でも、同郷の先輩・フンメルには敬意を表して接していたらしく、フンメルのパリ演奏旅行の際には、モシェレスらとともに手足となって働いている。

自らをフンメルやベートーヴェンらとともに「古典派」と位置づけていた。次世代のリストやメンデルスゾーンからは、その気取った立ち振る舞いなどを揶揄されたりしていたが、ショパンとは交友を続けていたようである。


さて、今回の第2番と第3番であるが、あくまでもソナタ形式による典型的な古典派協奏曲であるが、そのメロディーはフンメルと遜色ないもの。ショパンが好んだのも理解できるほど繊細な面やロマンティックな雰囲気を持ち、明らかにベートーヴェンの楽派とは違うブラブィーラ演奏を多用しており、装飾やパッセージ等からもフンメルと同様に「ウィーン楽派」の当時の代表的ピアニストだったことも頷ける。

第2番は、トロンボーンを含んだ2管編成オーケストラを持つが、前奏以外は終始伴奏に徹する作風もショパンと同様である。
第3番は、ティンパニーを使用していないが、室内楽的という感じはしない。トランペットのアクセントもある楽曲で、何故ティンパニーを入れなかったのか理解できない。
アダージョ・エ・アレグロ・ディ・ブラヴーラは、当時の流行である演奏会用小協奏曲である。メンデルスゾーンの「華麗なロンド」のような雰囲気で、聞いていてとても楽しい。



同じハワード・シェリーによる演奏で1番と4番に続いてのリリースだが、今回の発売で、全4曲のピアノ協奏曲が聞けるようになったことは嬉しい限り。初期ロマン派が好きな人やフンメルを好きな人、ショパンの協奏曲が好きな人は、是非第1番第4番のCDと合わせて聞いてほしいと思う。


ちなみに、カルクブレンナーのピアノと管弦楽の為の作品は下記の通り(○が付いているのはCD化されて聞けるもの)

○ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調,Op.61
○ピアノ協奏曲 第2番 ホ短調.Op.86
○ピアノ協奏曲 第3番 イ短調,Op.107
○ピアノ協奏曲 第4番 変イ長調,Op.127
 2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 ハ長調,Op.125
 友好の誓約、大ロンドー,Op.66
 ベルリンの魅力、華麗な大ロンド,Op.70
 アイルランド民謡「我が家は冷たき土の上」によるファンタジーと大変奏曲,Op.72
 ロッシーニの歌劇「タンクレード」のアリア「こんなに胸さわぎが」によるファンタジーと華麗な変奏曲,Op.83
 「イギリス国歌」、序奏とフィナーレを伴う華麗な変奏曲,Op.99
 フランス民謡「ジャック兄さん、鐘をついてよ」による序奏と華麗なロンド,Op.101
○アダージョ・エ・アレグロ・ディ・ブラヴーラ 変イ長調,Op.102
 大幻想曲「夢」 変イ長調,Op.113
 カールズバードの魅力、華麗なる大ロンド,Op.174




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フンメル 「グランド・ゼレナーデ」Op.66

奥山彩さんらが演奏するフンメル「グランド・ゼレナーデ」Op.66
モーツァルトから始まって当時のオペラヒットソングパレード!!
オリジナル楽器による演奏です。美しいです。



これらは一般にはCD化されていないようですが、2曲の七重奏曲(Op.74 and  Op.114)の演奏はCD化されています。

Hummel: Piano Septets

ComposerJohann Nepomuk Hummel (1778-1837)
Format1 CD jewelcase
Cat. Number94041
EAN Code5028421940410
ConductorMilos Valent
FluteLucie Duskova
OboeEduard Wesley
ClarinetRobert Sebesta
Natural HornRudolf Linner
Natural TrumpetJean-Luc Machicot
ViolinSharman Plesner
ViolaMilos Valent
CelloMichal Stahel
Double BassTibor Nagy
FortepianoAlessandro Commellato
FortepianoAya Okuyama
EnsembleSolamente Naturali, Bratislava
PianoforteAlessandro Commellato
PianoforteAya Okuyama



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− クレメンティ −もう一人のピアノ教師

Muzio_Clementi少年フンメルは、1790年からロンドンに滞在している。


ハイドンは1791年から1年間滞在した。例のロンドン交響曲が披露された歴史的滞在である。
この同時期に滞在したモーツァルトの愛弟子であるフンメルとハイドンが交流を持った事は事実であろう。
事実、二人がウィーンに帰ってからは師弟関係になった。


一方、演奏実績と自作出版もあり、既に相当評価が高まっていたフンメルは、クレメンティにピアノを師事している。

クレメンティは、1781年(29歳)の12月24日ウィーンでヨーゼフ2世の前で、当時25歳のモーツァルトとピアノの競演をしているが、モーツァルトの演奏に大変感銘し、その後の作品や演奏法に影響を受けたと本人が語っている。
そのモーツァルトの太鼓判をもらったフンメルにピアノを教えたのだが、そのレッスン内容はどういうものだったであろうか?


おそらく、フンメルの巨匠的演奏は、クレメンティの教えが無くては実現しなかったのではないか?と考えられる。


べートーヴェンはモーツァルトの演奏より、クレメンティの演奏の方を評価したと言われているが、そのモーツァルトのウィーン楽派特有の軽くて華麗な演奏法と、クレメンティから始まるロンドン楽派特有のピアニスティックな力強い演奏法の両方をフンメルは学んだことになる。


フンメルは生涯に渡ってウィーン楽派的な装飾の多い華麗なピアノ楽曲を好んで多く作ったが、同じクレメンティに学んだクラーマー、カレクブレンナー、フィールドといった音楽家が持つファンタジーと演奏技巧は、フンメルにも当然あって、特にピアノ協奏曲では顕著にみられる。

ピアノを習うと出てくるクレメンティ...


ハイドンのブームに押されて日の目を浴びなかった、彼の交響曲なんかは迫力があって、個人的には大好きである。

彼の生涯は、邦訳された「クレメンティ―生涯と音楽」(音楽之友社)に詳しいし、Wikiでもある程度掌握できる。


彼が没してから、ちょうど180年が経った。

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フンメル研究ノートというサイトは、クラシック音楽鑑賞を趣味とする一個人が、ヨハン・ネポムク・フンメルの音楽の魅力に取り付かれ、永年かけて収集した情報・データをメモ代わりに掲載している「フンメル研究ノート」のレビューページにあたります。フンメル研究ノートは、あくまでもCD解説、書籍、辞書などから集めた情報を盛り込んだ継ぎはぎの情報を集めたものですので、事実とは違っていたり、解釈が違っている箇所も多いと感じていますが、もっと多くの日本人にフンメルの音楽の魅力を知ってもらいたいと思い公開しています。もっとフンメルの情報が知りたい。またはご興味がある方は、本サイト「フンメル研究ノート」を覗いてみてください。よろしくお願いいたします。

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