elisabeth1 フンメルの妻・エリザベートについては、

「エリーゼのために」本当は「エリザベートのために」?

 でも触れたが、ウイーンでベートーヴェンとも交友ががあった当時著名なソプラノ歌手だった。
 フンメルと結婚したのは1813年。エステールハージ家から離れてウイーンで「作曲家」「ピアノ教師」として引く手あまただったころのことである。

 エリザベートは、ピアノ演奏家の大家である夫がステージ活動から離れていることに懸念を示し、「あなたほど弾ける人がもったいない。是非ステージに復帰すべき」と助言したのだった。

 その助言を受けてフンメルはステージ活動に復帰したのだが、折りしも1814年から1815年にかけてウイーン会議が開催され、世界各国の要人、貴族がウイーンに集まっていたため、フンメルの演奏は評判に評判を呼び、ひとつの名物となっていた。
そのウイーン会議のパーティーにも招待され、物凄い衝撃と喝采を浴びたという。この時の演奏ぶりを作曲家シュポーア(Luis Spohr)が回想録の中で述べられているが、その内容はまたいずれ...

 この時の妻エリザベートの助言が無かったら、音楽史が変わっていたかも知れないし、フンメルという名を聞くことも無かったかもしれない。また、有名なピアノ協奏曲の数々やソナタ、ピアノ奏法の著作も生まれなかったかもしれない。

 とても重要な助言であった。

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