前回はウイーン式ピアノの特性の一般的なものを紹介したが、今回はイギリス式ピアノについての説明を照会します。

 

イギリス式のピアノはウイーン式のピアノに比べて様々な点で異なる。音域は5オクターブ半(Ffc4)で、ウイーン式より幾分広く、ウナ・コルダとダンパーを操作する2つのペダルをもつ。楽器は一般的に大きくてかつ頑丈に作られ、今日のグランド・ピアノのように高音域の弦にはダンパーがついていない。ダンピングによる一般的効果はウイーン式のピアノに比べてかなり鈍く、音の透明感にも欠ける。イギリス式ピアノはアクションがずっと重かったため、ウイーン式ピアノになれた者からはかなり批判されていた。しかし、イギリス式ピアノはその長所や特殊性(異なるピッチによる音の多様性など)から、イギリスのピアノを知るようになったハイドンやドゥシェックによってその特性が活かされた。

(ジェフリー・ゴヴィエ)