フンメル研究ノート〜Review〜

ヨハン・ネポムク・フンメル(Johann Nepomuk Hummel)の個人研究サイトのレビューページ。CD紹介をはじめ、フンメル関連ニュース等を紹介していきます。 ●フンメル研究ノート●http://hummelnote.wix.com/hummelnote

新譜情報

イエイン・クイン/18世紀の響き

新譜の紹介です。
今回紹介するのは、ウイーン古典派のオルガン作品集です。

REGCD476イエイン・クイン/18世紀の響き
モーツァルト、ベートーヴェン、フンメルの作品集
ダブリン大学トリニティ・カレッジのオルガン演奏
THE ENLIGHTENMENT INFLUENCE
Mozart, Beethoven, Hummel. 
Iain Quinn. Organ of Trinity College, Cambridge.



オルガン曲といっても、収録曲の中で純粋にチャーチオルガンのために書かれた曲はベートーヴェンの全長調にわたる2つの前奏曲とフンメルの2作品のみで、その他のモーツァルトの曲もベートーヴェンの曲もすべて「からくり時計」の自動オルガンの為の楽曲です。

今回取り上げることの最大の理由は、私が始めて耳にすることが出来たフンメルの「オルガンのためのリチェルカーレ ホ短調,Op.Posth8」が収録されている為です。Op.Posth7の二つの前奏曲とフーガは、既にCDなどで聞くことができますし、譜面も入手できていたのでDTMでも紹介できました。
<打込音源紹介 YouTube>

さて、そのリチェルカーレですが、厳格な対位法によって作られたフガートです。上昇する半音階の主題、下降する半音階の変形主題が入り混じるバロック的な楽曲で、フンメルらしさは微塵もありません(笑) ハイドンやアルブレヒツベルガーにオルガンや対位法を学んでいた時代の課題曲か習作でしょうか? 私の持っている情報では作曲年代が不明で、遺品の中から死後の1839年に出版されたものですので、これ以上言及できません。

ともかくフンメルコレクションにもう一曲加わったということで紹介いたしました。

ちなみにモーツァルトの3曲はピアノでもオルガンでも多数の録音が出ていますので言及する必要もないでしょう。ただベートーヴェンの「5つのからくり時計のための作品集,WoO.33」は、グラスハーモニカ版で聞いたことがある程度で、これは滅多に聞けない小品集です。
しかしこれまたベートーヴェンらしさが微塵もありません(笑) 古典派のピアノ練習曲でもいいのでは?的な曲です。
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クロンマーの交響曲集


FranzKrommer 今回紹介したいのは、フランティシェク・ヴィンツェンツ・クラマーシュ(František Vincenc Kramař)の交響曲第1番、第2番、第3番 ハワード・グリフィス&スイス・イタリア語放送管弦楽団。

 クラマーシュは一般的にはドイツ名で フランツ・クロンマー と表記されていますので、ここでもクロンマーと表記します。

 クロンマーは、モーツァルトが生まれた三年後の1759年ボヘミア生まれ、親戚にヴァイオリンと作曲の手ほどきを受け、ハンガリーで活躍していました。

 1785年にウィーンに行き、シュテュルム伯爵の宮廷に仕えていたのでモーツァルトやハイドンと交流があったものと思われます。

 1790年から1795年までハンガリーに戻り、ペーチ大聖堂の教会楽長に就任。その後はカーロイ連隊楽師長やグラサルコヴィチ侯の宮廷楽長を歴任。

 1810年からは、『後宮からの誘拐』、『フィガロの結婚』、『コジ・ファン・トゥッテ』、ベートーヴェンの交響曲第1番の初演会場が行われたことで有名な「ウィーン・ブルク劇場」の楽長を務め、1818年に皇室専属作曲家となりました。

 その作品はハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンの影に隠れてしまって存在自体すらも忘れられてしまいましたが、20世紀後半から再発見され、管楽器のための協奏曲や管楽合奏曲などの録音が増えていきました。最近は特に録音が多くなってきています。

 作品はまだ研究途中らしいですが、300曲以上の作品を残し、そのうち100曲以上の弦楽四重奏曲、13曲の弦楽三重奏曲、30曲の弦楽五重奏曲、ヴァイオリン協奏曲、オーボエ協奏曲、クラリネット協奏曲などが10曲あまり、7つの交響曲に管楽器のためのパルティータ、ミサ曲などの宗教曲があるとされます。

 クロンマーの交響曲録音は珍しく、CHANDOSからバーメルト/ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズの「モーツァルトと同時代の音楽シリーズ」として交響曲第2番、第4番が聴けましたが、ドン・ジョヴァンニ序曲のような序奏、ハイドン交響曲のような第二楽章など聴きごたえありましたし、第4番などのオーケーストレーションは見事で、お気に入りの一枚でした。

 そして今回のCPOからリリースされた第1番〜第3番の作品集 。

 すでに聞いたことのある第1番と2番もとても新鮮に聴けましたし、初めて聞いた第3番も期待通りの作品。個人的にクロンマーの交響曲や協奏曲は、モーツァルト的な管弦楽手法とハイドン的なテーマ、展開で、同時代の作曲家の中では「もっとも好きな作曲家のひとり」です。

 フンメルは交響曲を書きませんでしたが、彼の管弦楽序曲などと似ている雰囲気を持つ第一楽章、ハイドン的な全管弦楽で演奏される元気な第二楽章、モーツァルト的でありウイーン的である舞曲の第三楽章、たまに見え隠れするベートーヴェンの第1交響曲的な部分....などなど、古典派好きの方なら気に入ること請け負います。

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● 交響曲第1番ヘ長調 Op.12
● 交響曲第2番ニ長調 Op.40
● 交響曲第3番ニ短調 Op.62

 スイス・イタリア語放送管弦楽団
 ハワード・グリフィス(指揮)
 


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モーツァルトのライバルと実の息子の協奏曲集

Franz_Xaver_Mozart_(Wolfgang_Jr)_1825フランツ・クサーヴァー・モーツァルト(1791-1844、以下フランツ)は、父モーツァルトが亡くなる4ヶ月前に末息子(第6子)として誕生。5歳の時、プラハでニーメチェク(父モーツァルトの伝記作家)からピアノの初レッスンを受け、7歳の頃からピアニストを目指して父の簡単な作品を弾くようになり、同時に父のライバルとされたサリエリに歌唱と和声法のレッスンを受けます。また大巨匠のハイドンからも教育を受けたり、さらに父の一番弟子でもあり、当時すでに人気作曲家として活躍していたフンメルを初め、フォーグラーやアルブレヒツベルガーといった父と交流のある音楽家の教育を受け、後に母コンスタンツェの希望でヴォルフガング2世を名乗ってピアニストとして活躍しました。

 実際にフランツがピアニストとして最初に活躍したのは、1805年4月8日、父の友人でもあるハイドンの73回目の誕生日を祝って催された演奏会です。この時、フランツは14歳。彼は父のピアノ協奏曲および自作曲などを演奏しました。聴衆は大喝采でこの若いモーツァルトを迎え入れ、ハイドンも涙を流して拍手したと伝えられています。当時の評論も好評で前途有望かに思えましたが、父の重圧でしょうか? はたまた母コンスタンツェの期待の大きさからくるプレッシャーでしょうか? 17歳にして独立してしまいます。「父モーツァルトの名を汚さないように」と皆から言われたことが、彼にとって一生の重荷となっていったようです。とにかくウイーンから離れたかったのでしょう。とうとうポーランドに家庭教師の職を見つけ出て行ってしまったのです。当時の職業音楽家の生計事情が悪かったため、彼も父同様定職探しに奔放し、ピアノ教師になったり、演奏会を開いたりして各地を転々としています。
 
 1819年には、ウィーンを離れてから11年間会っていなかった母親と再会しましたが、その時フランツは次のように語っています。
 
「彼女は私の愛せる本当の母親になっていた」
 
  再び演奏旅行に出かけ、ドレスデンでは指揮者兼作曲家であったウェ−バーを訪問したり、プラハでは演奏会で成功収めたりしています。さらにイタリアに行った際には、当地で公務員となっていて20年間生き別れになっていた兄カルル・トマスに再会しました。

  さて、フランツはその後も各地を転々としながら定職を見つけるため活動しますが叶わずじまい。31歳に就職活動に終止符をうち、レンベルグでピアノ教師として生きていくこととなります。1841年、ザルツブルグで「モーツァルテウム」というモーツァルト財団と記念館が設立された時も館長職を希望したが叶わず、「名誉楽長」という地位に落ち着いてしまいました。翌1842年には、母コンスタンツェが79歳でザルツブルグで亡くなり、母の長寿とは逆にフランツは翌年1843年7月29日に53歳の生涯を閉じました。


フランツのピアノ協奏曲は意外と多くリリースされており、古くはヘルウィグの演奏でOPUSというレーベルから1970年代にはリリースされていました。
それ以外にも
0044747206226.團▲龍奏曲第2番が父モーツァルトと祖父レオポルドとの曲とカップリングで収録されているCD






0017042BC
▲▲鵐肇襯皀鵑離團▲里派磴梁22番とのカップリングで収録されているCD







FXMozart_1501752_DSピアノ協奏曲2曲とも収録されているNOVALISからリリースされたCD






など数種類が存在し、それらに今回のシェリーのアルバムが加わりました。

演奏はさすが、モーツァルト、ベートーヴェン、フンメル、モシェレス、カルクブレンナー他多くの作品をリリースしてきただけあって、粒が際立った若々しく華麗なピアノテクニックを聴かせてくれます。

Muzio_Clementiクレメンティの協奏曲も3種ほどリリースされていますが、これはピアノソナタのOp.33-3はもともとピアノ協奏曲であったであろう、ということで復元された曲ですので、オーケストラ部などオリジナルではありませんが、違和感なく聞くことができます。クレメンティに関しては交響曲も重厚で華麗でとっても面白いのですが、このピアノ協奏曲も同世代のモーツァルトとは違って、より現代のピアノにあう楽曲であり、部分的にはベートーヴェン的であり、第一楽章の展開部のピアノパッセージ等はクレメンティの弟子でもあるフィールドのピアノ協奏曲に出で来るようなフレーズがあり聴きごたえあります。


ハワード・シェリーのピアノと指揮での「古典派ピアノ協奏曲シリーズ」の第三弾は、F.X.モーツァルトの2曲のピアノ協奏曲と、F.X.の父 W.アマデウス・モーツァルトのピアニストとしての好敵手、M.クレメンティのピアノ協奏曲という大変面白い組み合わせのアルバムです。

第一弾でドゥシェック、第二弾はシュタイベルトと埋もれた古典派の音楽史シリーズともいえるものですが、どれも聞いていて楽しくなってしまいます。

モーツァルトと同時代の作曲家、そしてその息子の作品、マニアックですが是非多くの人に聞いてほしいなぁと思います。


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シュタイベルト ピアノ協奏曲集

シュタイベルトって聞いたことありますか?
 

Steibeltベートーヴェンの伝記などを読むと出てきますので、名前だけは知っているという人も多いかもしれません。

ちょっと音楽史やそうした作曲家のエピソード集みたいなのを読んでいる人には逆に有名な人物かもしれませんね。


何と言ってもベートーヴェンにピアノ演奏の対決申し込んでおいて、実際ベートーヴェンの演奏中に逃げ出してしまった人ですから(笑)


ダニエル・ゴットリープ・シュタイベルト(Daniel Gottlieb Steibelt)は1765年10月22日ドイツ産まれのピアニスト兼作曲家です。時代的にはモーツァルトより9歳下、ベートーヴェンより5歳年上になりますね。

細かいエピソードや滑稽や話、その破天荒な行動や性格のせいか、どちらかというと馬鹿にされて歴史に名を留めてきてます。かわいそうに(笑)


それでもオペラや劇音楽、室内楽も作ってヒットさせている単なる腕のいいピアニストではありません、作曲家です。

この人の経歴や評価はピティナさんところで翻訳されているマルモンテル著『著名なピアニストたち』で詳細が分かりますので興味ある方は是非読んでみてください。


20070923_354692で、そんなシュタイベルトが数々のピアニストの歴史本や音楽史で言及されているのが、「見かけ倒しの派手なテクニックを使ったピアノ演奏で当時の人気を得ていた。しかも奥さんがタンバリン奏者でピアノとタンバリンの踊り付きパフォーマンスで舞台を演出」とか、「本当のテクニックには及ばない見せかけの演奏と作曲技法」とか、シューマンやメンデルゾーンやショパンが、ベートーヴェンとフンメルを評価していたのに比して後輩たちから全く尊敬されていないし言及もされていない作曲家。


散々ですね。その代表曲「ピアノ協奏曲第3番「嵐」」もシュタイベルトの見せかけテクニックをより派手に演出するように作られている、とか(笑)


そんな曲、聞いてみたくなるに決まっているでしょう。と長年思っていましたら、やってくれました、ハワード・シェリー


彼は80年代終わりからのフンメルのピアノ協奏曲シリーズ以降、埋もれてきた古典派、初期ロマン派のピアノ協奏曲を積極的に録音してきました。昨年のドシェックの作品集も貴重でしたし、モシェレス、エルツ、タールベルク、ヒラー、クラーマーなどなど素晴らしい発掘録音しています。僕が一番評価しているのは カルクブレンナーの全集です。


そんなシェリーが今回リリースしたのがなんとシュタイベルトのピアノ協奏曲集。

シュタイベルトは8曲のピアノ協奏曲を残しているそうですが、今回リリースされたのは


ピアノ協奏曲第3番 ホ長調 「嵐 L'orage」 (1799年)

ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 「狩り A la chasse」 Op. 64 (1802年)

ピアノ協奏曲第7番 ホ短調 2つのオーケストラによる「ギリシア風軍隊協奏曲 (1816年)

というシュタイベルトが奇をてらっているとしか言いようのないタイトルと派手な演出がある3曲のピアノ協奏曲です。
 

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Daniel Steibelt (1765-1823) Piano Concertos Nos 3, 5 & 7 Howard Shelley (piano), Ulster Orchestra, Howard Shelley (conductor)
 CDA68104








<<聴いた感想>>

とにかく楽しい(笑)

なかなか重厚なオーケストラで始まり、それなりの美しいメロディーが次々と流れてきます。

驚いたのが第3番は1799年に作られていますが、モーツァルトが亡くなってまだ8年しかたっていないこと、ベートーヴェンの第3番ハ短調が世に出る前だということ。

その時代にこれだけヴァルトーゾ的協奏曲があったでしょうか?曲だけ聞けば1810〜20年代のフンメルに続く世代のピアノ協奏曲のようです。

有名な第3楽章の「嵐」も派手なオクターブ双方を駆使して、生で見ていたらさぞかし楽しいだろうなぁと感じました。ドシェックやクラーマーのまじめでお堅い協奏曲より絶対楽しいです(笑)


メロディーメーカーではあるけど、ベートーヴェンやフンメルに及ばないのは構成力、メロディーを活かした展開、陰影、でしょうか。聞き終わった後、派手さは記憶されていますがメロディーが思い出せません。とにかくいろんなメロディーの詰め合わせのようになっていて、まとまりがないからですかね?


でもこの時代の協奏曲にまた一つ、楽しめる一枚が加わりました。


 

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ツェルニー/ピアノと管弦楽のための技巧的変奏曲集

ツェルニー:ベル・カント・コンチェルタンテ

ピアノと管弦楽のための技巧的変奏曲集
(タック/イギリス室内管/ボニング)

573254
レーベル名 :Naxos
カタログ番号 :8.573254


収録曲は、
  • 1.序奏およびベッリーニの歌劇「ノルマ」からのテーマによる変奏曲とフィナーレ,Op.281
  • 2.オベールの歌劇「フラ・ディアボロ」からのモチーフによる大変奏曲op.232
  • 3.ベッリーニの歌劇「海賊」からのルビーニのカヴァティーナによる序奏、変奏曲と華麗なポラッカ ニ長調 ,Op.160
  • 4.バチーニの歌劇「信仰の勝利、ガリアのアラブ人」の行進曲による序奏と華麗なる変奏曲,Op.234

 どの曲も当時ヒットしたオペラから題材を選んでいるピアノとオーケストラの為の変奏曲集。


 Op.73のハイドン「皇帝」のテーマによる変奏曲を聞いた時には、フンメルやウェーバーに匹敵する面白い作曲家、のイメージがあり、練習曲以外(←ここ強調)の楽曲が発売されるやほとんど集めていた作曲家のひとり。
 回想録も出版されており、ベートーヴェンやフンメルとの出会いや奏法のこと、当時の流行などとても興味がもてる内容でした。
 ただし、今回の変奏曲集は、奏法的には技巧的で華麗ではあるけども、全然記憶や印象に残らない感じでした。演奏や録音は優秀。でも楽曲のせいなのかな? 馴染みのないオペラの旋律のせいなのかな?

 僕にとってはツェルニーってなんとなく遊び心が感じられず、いつも「ほほう。なかなかな曲だな」の段階で終わってしまいます。交響曲も立派なんだけど、ツェルニーの交響曲よりもクロンマーの交響曲の方が楽しいし、ピアノ協奏曲もカルクブレンナーの方が楽しい、また聞きたい、と思わせるのです。
 

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いやはや、久々に良盤ゲットです!/ドゥセックのピアノ協奏曲集

いやはや、久々に良盤ゲットです!

古典派からロマン派のピアノ協奏曲を演奏・録音し続けているハワード・シェリーの演奏/指揮によるJ.L.ドゥセックのピアノ協奏曲集がリリースされました。



Dussek002Jan Ladislav Dussek (1760-1812)
Piano Concertos
Howard Shelley (piano), Ulster Orchestra, Howard Shelley (conductor)

シェリーは英シャンドスからモーツァルトやベートーヴェンというメジャーな作曲家のピアノ協奏曲集をリリースしており、特にOrchestra of Opera Northを指揮振りしているベートーヴェンの全集は素晴らしかったし、フンメルのピアノ協奏曲シリーズも貴重かつ名演奏だと言えます。

今回のリリースは同じ英国のハイペリオンで、このレーベルは「ロマンチックピアノ協奏曲シリーズ」と題して普段あまり聞くことのできない、また録音されていない作曲家たちの作品を精力的に世に出しています。そして、今回のドゥセックのピアノ協奏曲集は「古典派ピアノ協奏曲 1」とシリーズ化されていくものと思われます。


 
Dussek001ドゥセックはモーツァルトより4歳下で、モーツァルトの死から21年後の1812年に亡くなっていますので、時代的には完全に古典派ですが、彼は同時代人より遥かにロマン派に近い曲を多く書いています。というか、フンメルに似ているパッセージなどもあるのですが、明らかに独創的であり、他に真似ている人が見受けられない。実際は影響力があったのかもしれませんが、不明です。

当時は売れっ子作家・演奏家というよりも公人・貴族にもてはやされていた上流界に出入りしている作曲家、という印象を受けます。

ただし、ハイドンがロンドンでザロモンコンサートを開催している際に彼から絶賛されており、相当の実力者であったに違いありません。詳しくはwikiを参照してください。

彼のピアノ協奏曲は18曲の上るそうですが、これまで聞ける範囲では、ピアノ独奏曲やピアノ五重奏などに比べると古典派的であると言えます。

一方でト短調,Op.49など、次世代のロマン派ヴァルトォーゾ時代の作品そのものと言えるような曲もあります。

これまでリリースされているのは、ヘ長調,Op.17、変ロ長調,Op.22、ヘ長調,Op.27、変ロ長調「軍隊的」,Op.40、ト短調,Op.49、2台用変ロ長調,Op.63でした。
 
今盤にてト長調,Op.1-3、ハ長調,Op.29、変ホ長調,Op.70が加わることとなり、9曲のピアノ協奏曲を聴けることとなりました。改めていい時代です。
 

さて、今回収録されているト長調,Op.1-3は1783年頃の作曲。モーツァルトのウイーン時代前半の名作群、ピアノ協奏曲第14番〜19番と同時期です。
 
ハ長調,Op.29はモーツァルトの死後1795年の作品。クラーマーの第1番〜2番、フィールドの第1番と同時期です。
最後の変ホ長調,Op.70はベートーヴェンの第4番、第5番「皇帝」のほぼ同時期の作品となります。

三作品とも小編成でありますが、その表現力は劇的に変化・進化しており、大いに楽しめました。

 
何よりもシェリーの軽快・明朗なピアノとアルスター管弦楽団の響きはとても活き活きとしており、聞いていて心が晴々していくような感覚を受けました。

技術的な事は解説できませんが、モーツァルトやベーとヴェンと同時代人の優秀な曲と演奏を聴かせていただきました。こんなに買ってよかったと思わせたCDは久々でした。

新譜案内 フンメルとシューベルトのピアノ五重奏曲

 フンメルの室内楽曲は、彼の作曲活動期間全般に渡って作曲されていますが、特に後期のピアノ・ヴァルトーゾの時代よりは、作曲活動が一番活発だったウイーン時代、エステルハージ楽長時代にその多くが生み出されています。
 その音楽は解りやすいメロディーと単純な伴奏からなるロココ、古典派のような主題の提示から、19世紀のショパンやメンデルスゾーンと言ったロマン派時代の装飾的でかつセンチメンタルなメロディーがブレンドされたような音楽となっています。
 このピアノ五重奏はOp.87という中期以降の作品ナンバー(1822年出版)が与えられていますが、作曲自体は1816年という早い時期で、先だって出版された7重奏曲ニ短調,Op.74のピアノ五重奏版が予想以上の反響を呼んだため、未出版作品を後追いで世に出したものと思われます。

この2曲は当時のヒット作となり、このCDのカップリングでもあるシューベルトの有名な「ます五重奏」が生み出されるきっかけともなりました。シューベルトの友人・パウムガルトナーが「フンメルのような五重奏曲を」という希望をだしたのです。
 その意味では、この2曲は同時代の最も優れたピアノ五重奏曲であり、また最もポピュラーなものでしょう。
 お聞きいただければ解ると思いますが、フンメルの作曲技量、センスの良さがご理解いただけることと思います。

 このCDでの演奏は古楽器でのもので、当時の響きを彷彿させるものなのかもしれません。フンメルからショパンに繋がるピアノ曲は、装飾が多く、軽やかなタッチと主旋律を透明感ある響きで再現しなければなりません。
現代のピアノでも名演奏家はそういう演奏を聞かせてくれます。古楽器ではより明確になるはずですが、録音のためか、演奏の為か、ピアノの音が濁りすぎて聞こえるところが多々あります。

この種の古楽器演奏で演奏、録音共に優れていると思ったのは、Voces Intimae Trioの全集です。ピアノ三重奏ですが機会があれば是非。

といってもこの演奏は悪いと言っておりません。非常に丁寧に演奏されており、また楽しく演奏している様子がうかがえるものです。シューベルトのます五重奏も第一楽章から温かみと心地よいテンポで我々を魅了してくれます。

CHpt87
The Music Collection
Simon Standage violin
Peter Collyer viola
Poppy Walshaw cello
Elizabeth Bradley double-bass
Susan Alexander-Max fortepiano - director
Recorded in:
Finchcocks Musical Museum, Goudhurst, Kent
20-22 May 2013

【CD紹介】ちょっと吃驚、ヤーコプスのモーツァルト 「偽の女庭師」 K.196

 
モーツァルト:歌劇『偽の女庭師』 K.196 全曲

 ソフィー・カルトホイザー(S サンドリーナ)
 ジェレミー・オヴェンデン(T ベルフィオーレ伯爵)
 アレックス・ペンダ(S アルミンダ)
 ニコラ・リヴァンク(Br 市長)
 マリー=クロード・シャピュイ(Ms 騎士ラミーロ)
 スンヘ・イム(S セルペッタ)
 ミヒャエル・ナギ(Bs ロベルト)
 フライブルク・バロック・オーケストラ
 ルネ・ヤーコプス(指揮)

 録音時期:2011年9月
 録音場所:ベルリン、テルデックス・スタジオ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)


 歌劇『偽の女庭師』は1775年1月にミュンヘンで初演されたオペラブッファで、18歳のモーツァルトの作品です。と言ってももう当時の作曲家より抜き出ていたので、青年期の代表作品に当たります。

 物語は、かつて恋人ヴィオランテに大怪我を負わせて音信不通にしてしまったが今はアルミンダと婚約しているベルフィオーレ伯爵の前に、サンドリーナを騙り庭師として働くヴィオランテが現れ、周囲を巻き込んで騒動になる、といったお話。モーツァルトはかなり力を入れて作曲し、初演も好評だったことが伝えられています。この作品はモーツァルトの生前にドイツ語の上演が広まり、そのためオリジナルのイタリア語オペラブッファは20世紀まで埋もれていました。近年、青年期のモーツァルトの傑作として上演が増えています。


 あえてCDを紹介するのは、このヤーコプス盤を聴いて「良かった」から。


 ヤーコプスは、既にモーツァルトの主要オペラを録音し終えていて、それぞれ話題になったり、実際演奏評価も高いものが多かったようですが、私の感想としては「溌剌さもいいけど、ねっとり男女の愛憎が絡むような演奏の方がいいかな」というものでした。例えば「フィガロ」では、マリナー盤、「ドン・ジョヴァンニ」ではカラヤン盤、「イドメネオ」ならプリッチャード&ウイーンフィル/パヴァロッティ盤などなど....。

 でも、今回、初期オペラシリーズ新譜として『偽の女庭師』 K.196がリリースされていたので、久々にじっくり聞きました。

 モーツァルトに限らず、CDでオペラを全曲通して聴くなんてことは、最近滅多になくなり年に1,2回程度です。


 それはさて置き、一番驚いたのが、その楽器編成。オペラを通して使用されている編成は、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦楽部で、第三曲のアリアのみフルート、トランペット2、ティンパニが追加されています。
 
 しかし、ここでの演奏は、
序曲から全編通してフルート2、オーボエ2、クラリネット2(絶対オリジナルには存在しない)、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、弦楽部という2管編成を採用しています。
 さらに、あらゆる場面でフルートやクラリネットの「今までの版では聞いたことのないソロやオブリガート」でより華やかに、色彩的に富んだ演奏になっています。
 ティンパニやトランペットの補強で、より活き活きとしたアリアに生まれ変わったり、フルートの追加で心情の変化を表したり、とまさに後期のモーツァルトの作品を聴いているようでした。

 
 版については、輸入元では下記のように紹介しています。

【版について】
この『偽の女庭師』は、1775年にミュンヘンで初演(3回上演、うち2度目は短縮版)されたました。その後同じオリジナルのかたちで上演されることはなく、1779年以降、いくつかのカット、レチタティーヴォの語り芝居への変更を施したドイツ語上演が、1780年代後半までひろく行われました。モーツァルトを愛した街、プラハで上演されたのは1796年、モーツァルトの死後のこと。この時に作られた楽譜資料が2つ残されており(Namest、Oels)、このヤーコプスの演奏はNamest版に基本的に準拠しています。このNamest版には、ドイツ語の歌詞とオリジナルのイタリア語の歌詞が併記されており、新モーツァルト全集(NMA)がこのオペラを出版した際の土台となっています(ただしNMAのオーケストレーションはNamest版よりもシンプルな、モーツァルトのオリジナルに近いもの)。このNamest版では、オリジナルのオーケストレーションはかなり大がかりなものへと変更されています。特に顕著なのが、アリアの伴奏で、管楽器パートに著しい充実がみられること。このオーケストレーションの変更を誰が手掛けたのかは不明なのですが、ヤーコプスは、モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』や『ティート』がプラハで初演され、この地から世界に広まったことを例にとり、この『偽りの女庭師』もプラハで上演されてから再び上演される機会が増えたことなどを考慮して、プラハにのこされたNamest版に基本的に基づいたと語っています。ただし、Namest版でも見られるいくつかのカットは適宜修復を施していること、さらに、録音時にはセリフや歌詞などにも演奏効果などを考えて小さな変更を加えるなど、様々な資料にあたった上で練りあげられた注目の演奏となっています。(キングインターナショナル)


 いゃあ、楽しいオペラに生まれ変わったようです。このオペラは意外と多くの録音がありますが、私は断トツで今回のヤーコプス盤を推薦します。

 「作曲家が書いたもの以外は、要らない」という原典拘り主義の方にはダメでしょうけど、このCDは、フィガロなどに比べるとやや華やかさや魅力に欠けてしまうこの若き日のモーツァルトの代表的な作品を再評価するにふさわしいものだと思います。

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オリジナル楽器によるフンメル ピアノ協奏曲集Vol.1

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【収録情報】
フンメル:
・ピアノ協奏曲イ短調Op.85
・ピアノ協奏曲ト長調Op.73
・序奏とロンド・ブリランテ ヘ短調 Op.127『ロンドンからの帰還』

 アレッサンドロ・コンメラート(フォルテピアノ)
 使用楽器:ヨゼフ・ベーム製(ウィーン、1825)&プレイエル(パリ、1937)
 

 ディディエル・タルパイン(指揮)

 録音時期:2009年11月、2010年9月
 録音場所:ブラティスラヴァ、スロヴァキア国営放送スタジオ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション) 



この度低価格で人気のあるBRILLIANT CLASSICSから発売されたのは、フンメル ピアノ協奏曲集 Vol.1である。

収録されているのは、初期のマンドリン協奏曲をピアノ用に編曲して10年後に出版した小ピアノ協奏曲ト長調,Op.73と
中期のシュトゥットガルト就職プレゼンのために演奏された名曲、イ短調,Op85、最期の出版番号を付けられた晩年の『ロンドンからの帰還』Op.127の3曲。

Op73は、モーツアルトのまんま、のチャーミングとしか表現できない魅力的な曲で、オリジナルのマンドリン版でもピアノ版でも比較的多くの録音が出ている。

Op.85は、ロ短調,Op89と並ぶ代表曲の一つで、古典的協奏曲の中にロマン派に影響与えるべくメロディーやフンメルのテクニックが散りばめられたウイーン古典派の最後の巨匠にふさわしい協奏曲。

最期のOp.127も後の時代の作曲家のような序奏に始まり、民謡的なテーマに乗って軽快に奏でられる舞曲と行進曲が入り混じったロンドで、演奏者は相当な技巧を求められる曲である。




さて、演奏と録音ついて。

古楽器による演奏は、刺激過ぎを通り越して耳障りな音を響かせることがある。しかしこの楽団のCDはすでにフンメルのオペラとして世界初録音となった『ギース家のマティルデ』や、荘厳ミサ曲などが発売されており、すっきり、はつらつ、緻密なアンサンブルを聞かせてくれていたので、期待していた。

期待通り。ピアノもヨゼフ・ベーム製(ウィーン、1825)&プレイエル製(パリ、1937)と二種類使用しているが、どちらもピアノ一音のツブツブキラキラがよく聞こえて、アレッサンドロ・コンメラートの演奏も良かった。
特にOp.85は、多数の録音があるのに加え、ホグ、イギリス室内管(Chandos)の名盤があるためにどうしても比較してしまうのだが、この演奏は何回も聞けます。

是非是非、選曲集ではなく、全曲集としてほしい。

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ピクシスのピアノ協奏曲 The Romantic Piano Concerto, Vol. 58

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先日発売された The Romantic Piano Concerto, Vol. 58 – Pixis & Thalberg
から、非常に珍しいピクシスのピアノ協奏曲2曲を紹介します。批評ではなく、個人的印象・感想です。


 ピクシス? 知らない人も多いでしょう。私も「ディアベッリのワルツによる変奏曲/Variationen uber einen Walzer von A.Diabelli」に参加している部分と、「ヘクサメロン変奏曲/Hexameron variationen」の部分しか聞いたことありません。

私が愛読しているWebSiteピティナ・ピアノ曲事典には、以下のように紹介されていました。

Pixis, Johann Peter  [ ドイツ ]  1788 - 1874

ドイツの作曲家。作曲家でオルガン奏者の父親から音楽の手ほどきを受けた。次男のピクシスは、兄もまた作曲家となった。兄はヴァイオリンを弾き、ピクシスはピアノを弾いた。兄と演奏旅行をしてピアニストとして有名になったが、ピクシス自身もヴァイオリンやチェロを弾くことができた。

 19世紀に入ると一家でウィーンに移る。そして、ピクシスはベートーヴェンやマイアベーア、シューベルトと出会った。後にパリに移り、そこではハイネやケルビーニ、モシェレス、リスト、ベルリオーズ、ロッシーニと出会っている。パリではヴィルトゥオーソとしてその名を馳せ、ピアノ教育者としても活動した。晩年はバーデン・バーデンで過ごした。

 作品の大部分がピアノ曲となっており、コンサート・ピースとサロン向きの小品がある。

このページでは作品リストもありますが、ピアノ独奏曲や室内楽曲が圧倒的に多くを占めていますね。特に7曲あるピアノ三重奏曲は聞いてみたい気がします。



さて、ピアノ協奏曲 ハ長調,Op.1001829年に作曲され、「オーストリアの皇帝陛下」に捧げられました。

1楽章Allegro moderatoは、2管編成のオーケストラが、ヴァンハルやプレイエルの交響曲に似た雰囲気の古典的前奏を華々しく展開します。それほど長大ではない前奏部分は、モーツァルトやコジェレフ、トマーシェックや先のヴァンハルの作品と比べると中途半端な感じがしますが、リストなどと比べると大きな違いがありません。第二主題は一変し、優雅な雰囲気に包まれます。

 しかし、ピアノソロに入ると、「ああ、モーツァルトより後の世代の音楽だ」ということが理解できるでしょう。ピアノソロが始まった個所からは、この時期のコンチェルトによるあるようにオーケストラは「脇役」に徹底します。休む間もなくピアノの独奏は続きますが、所々で特徴的な和音、三度の重奏パッセージが聴かれます。古典的協奏曲の始まりだと思って聞き続けていくと、「ほぅっ」と驚かされる展開や、パッセージがあるのですが、これといった印象に残る曲ではなく、一聴しただけで口ずさめるような感じではありません。展開においては、急にゆったりしたテンポになったり、感傷的になったりと陰影を強調していますが、当時の聴衆はこの技巧的なピアノ演奏と共に驚かされたのでしょうか?

2楽章Adagio cantabileは短いながらも美しい幻想的なノクターンを聴かせてくれます。

 第3楽章Rondo: Allegretto scherzandoに入ると雰囲気は一変し、この時期多く作られたピアノ協奏曲のロンドの典型というべき、民謡的・舞曲的テーマが繰り返され、ピアノは元気よく跳ね回ります。それに応じ形でオーケストラはアクセントをつけていくのですが、うーん、これといった特徴はないですね、というのが素直な感想。最後のファンファーレに導かれて華々しいコーダを迎えます。

 全体を通して、「オーストリアの皇帝陛下」に捧げらるのに相応しい「華々しさ」に彩られている協奏曲です。

ピアノの技巧的な部分は、ドゥシェック、フンメル、クラーマーといった作曲家に影響されているかな、といった感じです。


 


小協奏曲変ホ長調,Op.681824年に作曲されたもので、先の曲より古典的です。「小」と名がついていますが、急・緩・急の各楽章で構成された典型的な協奏曲で、ただし全楽章切れ目なく演奏されるようになっています。特徴的なのは、あまり聞いたことのない調性が不安定なパッセージが技巧的なソロの部分として何度かあらわれ、それが第一楽章の特殊な雰囲気となっています。小規模の楽曲の割には、第一楽章のオーケスト導入部は長大で、1/3も占めています。

 第二楽章では弦楽のソロとピアノの掛け合いが美しく展開されます。続けて軽快なロンドで占められます。

Op.100の作品よりは、よりまとまっていて、チャーミングな楽曲です。



 こうしてピクシスやヒラー、タールベルク、ヘルツ、カルクブレンナー、クラーマー、モシェレス、ドゥシェック等などの楽曲を聞いてくると、自分の好みではあるのですが、如何に「モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン」が素晴らしいメロディーメーカーだったのか、再認識させられます。彼らは、自演を見せながら聞かせる、自分の演奏技巧を披露する楽曲がメインであり、スタンダードな「ヒット曲」を作り出すまでには至っていない、というのが自分の思うところ。



もっともこうした隠れた作品を多く聴ける時代になったことに感謝しつつ、今日はこれくらいで。




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シューベルト:ピアノ五重奏曲『ます』、フンメル:ピアノ五重奏曲 デンハーグピアノ五重奏団

HMVサイトより 新譜紹介

「19世紀における珠玉のピアノ五重奏作品集 Vol.1」として、下記のシューベルトとフンメルの五重奏が第一弾でリリースされるようです。この二曲に関しては過去にも何度も触れております。

期待したいのは、この時期の他の作曲家のリリースが継続的になされること。第一弾と謳っておいて立ち消えになる企画が多すぎます。

オンスロー、リース、F.X.モーツァルト、クラーマー、ドュシェック、リンマー... ブリリアントレーベルから出ているシリーズを凌ぐものにしていただきたいです。


*********************************
・シューベルト:ピアノ五重奏曲イ長調 D.667『ます』
・フンメル:ピアノ五重奏曲変ホ短調 Op.87

 デンハーグピアノ五重奏団
  小川加恵(フォルテピアノ)
  高橋未希(ヴァイオリン)
  アダム・レーマー(ヴィオラ)
  山本徹(チェロ)
  角谷朋紀(コントラバス)

 録音時期:2011年8月31日〜9月2日
 録音場所:デンハーグ、デルフト・カトリック教会
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
 録音エンジニア:タッド・ガーフィンクル(Ma recordings)
 日本語解説・帯付
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超優秀録音
天才録音技師タッド・ガーフィンクル氏の最新録音!
第16回ファン・ワセナール国際アンサンブル・コンクールで優勝し、
ヨーロッパ・デビューを果たした今話題のアンサンブルによる待望の初録音登場!

第16回ファン・ワセナール国際アンサンブル・コンクールで優勝し、ヨーロッパ・デビューを果たした今話題のアンサンブル、デンハーグピアノ五重奏団がついにCDデビュー! 非常に高い演奏技術と豊かな表現力をもった当団が傑作『ます』に挑みました。今後ますますの活躍が期待される彼らの瑞々しい音楽をご堪能ください。

【天才録音技師タッド・ガーフィンクル氏こだわりの録音】
録音にはMAレコーディングズの特別改造されているコルク社のMR-2000SのDSDレコーダーを、マイクロフォンはMAレコーディングズ専用のラインレベル出力の世界で2本しかない特別もの使用。またマイクロフォンケーブルはUSAのSTEREOLAB社のカスタムメイドの採用し、非常にリアルな音声をとらえております。

【デンハーグピアノ五重奏団】
オランダ王立デンハーグ音楽院古楽科で学んだメンバーを中心に、2008年発足。2009年オランダ、ユトレヒト古楽音楽祭でデビューし、その後も2010年バルセロナ古楽音楽祭(スペイン)、サント古楽音楽祭(フランス)、アントワープ古楽音楽祭(ベルギー)などヨーロッパの主要な古楽音楽祭に招聘される。2011年度TYリミテッドサポートプログラムによるレコード支援対象団体に選ばれ、2012年7月には当団初となる、CD「19世紀における珠玉のピアノ五重奏作品集 Vol.1」(MAJ508)が発売される。2011年11月、オランダ、アムステルダムで行われた第16回ファン. ワセナール国際古楽アンサンブル・コンクールにて第1位を受賞。2012〜2013年にかけてオランダ、ベルギーにて優勝記念ツアーが予定されている。(キングインターナショナル)



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フンメル:ヴィオラのための作品集

遅ればせながらあけましておめでとうございます。

さて、2011年の最初はCDの紹介です。

今回は、ヴィオラのための作品集です。
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1.ヴィオラ・ソナタ変ホ長調 Op.5 No.3
2.ヴィオラとピアノのためのアリオーソ
3.ヴィオラと管弦楽のためのポプリ Op.94
4.チェロ・ソナタ Op.104(マルチン・ムラフスキによるヴィオラ用編曲版)
5.ヴィオラとピアノのためのワルツ

マルチン・ムラフスキ(ヴィオラ)
ウルシュラ・シリンスカ(ピアノ)
フンメル・プロジェクト管弦楽団/リシャルト・ハントケ(指揮)


リリースが発表されたときの収録曲を見て、「さて、フンメルにヴィオラ用の作品が5曲もあったかな?」なんて思って、「新発見だっらラッキー」と思い入手いたしました。で結果ですが...
1.は1798年に作曲されたオリジナル曲で比較的録音の多い作品。モーツァルトだよと言っても気づかない人いっぱいいると思えるほど、メロディー、展開、曲の陰影が師匠そっくりな作品です。そうした意味では古典派のとても魅力的なチャーミングな曲で、特に第2楽章の優美さやロンド楽章の華麗さは必聴です。
演奏は、適切なテンポ間で気持ち良く聞かせてくれます。

さて、気になっていた曲の1つ、2.のアリオーソって、と思い聞きましたところ、何のことはない、ピアノ三重奏ホ長調Op.83の第2楽章を編曲したものでした。解説を読んでもそう説明されていたのでフンメルのオリジナルではありません。演奏家による編曲です。しかし、この解説には「ピアノ三重奏第1番から」と書かれていますが、間違いですね。第1番は、通常変ホ長調Op.12のことですし、一番最初のピアノ三重奏という意味では、Op.3の1で、どちらの曲でもありませんから、やはり表記ミスでしょうか?

3.ヴィオラと管弦楽のためのポプリ Op.94は、フルバージョンとしては2種目の録音の登場です。その最初のCHANDOSからリリースされたシェリー/ロンドンモーツァルトプレイヤーズと比較するとオケがややもったりしていて、録音もオケが奥に引っ込みすぎていて、ヴィオラが前に出過ぎですが、フンメルが狙った通り、モーツァルトやロッシーニのオペラの旋律が次々と出てきて、大変楽しいメドレー協奏曲として魅力を伝えてくれます。ソロのパーとに関してもスラー、スタッカート、テンポと音の強弱を使って、様々な情景を描き出しています。ソロがよく聞こえるので、これから演奏の参考にしようとして視聴するには良いかも。
オケ・録音含めた全体的な好みは、CHANDOS盤かな?

4.はそのまんま名曲チェロソナタOp.104のヴィオラ盤。ところどころフレーズが変わっていたり、音の高さが変わっていたりして、オリジナルに慣れてしまっている人には違和感があるが、最初だけ。とても美しい演奏を聞かせてくれます。これもありだなと思わせるもの。
解説には、昔から出回っていたヴィオラ編曲版を参考にアレンジした、とあるので、作曲家が意図していたかいないかは知りませんが、昔からヴィオラ版があったということですね。知りませんでした。

さて、もう一曲未知の曲6.ですが、これは解説では言及されていませんでした>オイ
2つのトリオをもつ典型的なワルツなので、舞曲集の譜面をさらってみましたが、見当たりませんでした。といことで、オリジナルがなんの曲であるのかはっきりしません。それとも本当にオリジナルのヴィオラとピアノの為のワルツ(作品番号なし)なのでしょうか?
どなたか知っていらっしゃる方いらっしゃいましたら、是非ご教示を!!


http://www.mdt.co.uk/MDTSite/product//AP0226.htm



 
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初のフンメルのオペラ作品の録音。拍手です。

・フンメル:歌劇『ギーズ家のマティルド』全曲
 クリスティーネ・ガイリテ(ソプラノ)
 フィリップ・ドゥ(テノール)
 ピエール=イヴ・プリュヴォ(バリトン)
 ヒョルディス・テボー(ソプラノ)
 オンドレイ・シャリング(テノール)
 マリアン・オルシェフスキ(テノール)、他
 ソラメンテ・ナチュラリ/ディディア・タルパイン(指揮)


このCDは、2008年、2009年にヨーロッパで復刻演奏された際のメンバーにてスタジオ録音されたものです。
録音は優秀で、弦が少なめのバランスですが、速いテンポで溌剌とした演奏を聞かせてくれます。
歌手陣も優秀、主人公の2人はガイリテ(ソプラノ)、ドゥ(テノール)は若々しくみずみずしい歌声をきかせてくれ、このCDが「とりあえず珍しい作品を録音してみました。演奏はニの次です」というものではなく、しっかり聞ける作品になっているところが良いです。

台詞はカットされており、音楽部分のみの収録ですが、初版の別バージョンの序曲と、間奏曲も収録されているので貴重です。

作品は初めて聞きましたが、合唱曲が多く、しかもサリエリの円熟期の作品の影響が大きいのがすぐわかります。アリアに関しては面白く聞けるのですが、モーツァルトほど優美なメロディー、官能性といったものはないです。しかし、後宮からの誘拐や魔笛ばりのコロラトゥーラアリアもあり、楽しく聞けます。全体的にティンパニが多用されていて、派手目の曲が多いです。

強引に例えると、モーツァルトの「ツァイーデ」「カイロの鵞鳥」といった未完成作品を聞いているかんじ? これには異論あるでしょうが、あくまでも一回全体を通して聞いた個人的な感想です。

とにかく初のフンメルのオペラ作品録音。拍手です。


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初のオペラ録音リリース

フンメルが、歌劇を17作品も残しているのは意外かもしれませんが、その殆どがウィーン時代、エステルハージ家時代のもので、ピアノ巨匠としてヨーロッパ中を熱狂させる前のことです。

それら作品は、現在では全く演奏されることもなく、また譜面も失われたものもありますが、今回、Brilliant Classicsからジングシュピール

『ギーズ家のマティルド』Op.100(1810年)

がリリースされます。


世界初録音。フンメルのオペラとしての録音も最初のものと思われます。
この作品は、一部ピアノ用に編曲されているので、雰囲気は知ることができますが、やはり情報含めて全く知らないので、楽しみです。



94043MATHILDE VON GUISE

Solamente Naturali / Didier Talpain
 

Mathilde...... KRISTINE GAILITE
Beaufort .... PHILIPPE DO
Duke ........... PIERRE-YVES PRUVOT
Baroness ... HJÖRDIS THÉBAULT
Claudina ..... EVA SUSKOVA
Valentino.... ONDREJ S���ALING
Nicolo  ....... MARTIN MIKUS
Leszensky .. MARIAN OLSZEWSKY

 
Opera in three acts
Libretto after Mademoiselle de Guise by Emmanuel Mercier-
Dupaty Weimar revised version from 1821 – in Italian

World premiere recording

CD1 ACT 1 · ACT 2 BEGINNING
CD2 ACT 2 CONCLUSION · ACT 3

品番:BRL94043

----------------------
日本での発売は、2010年06月25日で2枚組み。1,300円前後と思われます。


このオペラの序曲はに関しては、以前から聞く事ができました。

CHAN%20104151つは、ハワード・シェリー/ロンドン・モーツァルトプレイヤーズの録音で、Chandosからリリースされているフンメルのバレエ音楽『ミュティレネのサッフォー』Op.68の序曲として。
これは、どちらかが転用されたものですが、おそらくオペラの方が先に作曲されたので、バレエ曲の方が転用されたものと思われますが、しかしこのバレエ曲の重要なモチーフがこの序曲の序奏部に使用されているので、正確なところは判りません。

hummel005もうひとつ、ワイマール・チューリンゲン室内管弦楽団
のCD(DS1093-2)で『ギーズ家のマティルド』序曲として収録されています。
このCDにはOp118のソプラノとオーケストラの為の変奏曲という珍しい作品も聞けます。




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フンメル研究ノート

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フンメル研究ノートというサイトは、クラシック音楽鑑賞を趣味とする一個人が、ヨハン・ネポムク・フンメルの音楽の魅力に取り付かれ、永年かけて収集した情報・データをメモ代わりに掲載している「フンメル研究ノート」のレビューページにあたります。フンメル研究ノートは、あくまでもCD解説、書籍、辞書などから集めた情報を盛り込んだ継ぎはぎの情報を集めたものですので、事実とは違っていたり、解釈が違っている箇所も多いと感じていますが、もっと多くの日本人にフンメルの音楽の魅力を知ってもらいたいと思い公開しています。もっとフンメルの情報が知りたい。またはご興味がある方は、本サイト「フンメル研究ノート」を覗いてみてください。よろしくお願いいたします。

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