フンメルは、1786年から1988年までの2年間、モーツァルトの家に同居してレッスンを受けていました。その間フンメルは数多くのピアノ協奏曲の名作群や、「フィガロの結婚」の完成を目の当たりにしてきました。
それだけではなく、フンメルは師匠のピアノ協奏曲のカデンツァを勉強したり、交響曲を写譜や編曲をしていました。モーツァルトのこの時期の少年フンメルに与えた影響は多大で、フンメルの死まで続きます。

その後の大きなヨーロッパ演奏旅行とクレメンティへの師事を得て戻ったウイーンで、フンメルはベートーヴェンと同じ時期に同じ師匠の元で学びます。J.ハイドン、A.サリエリ、G.アルブレヒツベルガーの3人です。ハイドンとベートーヴェンの関係は微妙でしたが、フンメルに対してはかなり評価し、援助しております。ハイドンは、エステルハージ家の自分の後継者として推薦し、フンメルの最初の就職先が決まったのです。フンメルは途中幾度となく同家との諍いを経験しましたが、結局1804年から1811年までの7年間をここで働くことになります。

この時代のフンメルの作品は、同家の作品とウイーンからの依頼作品で膨大かつ幅広いジャンルに跨っており、特にピアノを伴わない作品の多くは、この時代のものです。トランペットやファゴットの協奏曲、膨大な宗教作品や舞台作品、歌劇のほとんどが作曲されています。

この『ギース家のマティルド』もOp.100という後期の作品番号を与えられていますが、これは、ワイマール宮廷楽長の時代にこの作品を改定し、1820年に出版したためです。しかし、この作品のオリジナルは1810年に完成し・初演されています。

今回リリースされたCDには、この初版の序曲も収録されているのが嬉しいところです。

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・フンメル:歌劇『ギーズ家のマティルド』全曲
 クリスティーネ・ガイリテ(ソプラノ)
 フィリップ・ドゥ(テノール)
 ピエール=イヴ・プリュヴォ(バリトン)
 ヒョルディス・テボー(ソプラノ)
 オンドレイ・シャリング(テノール)
 マリアン・オルシェフスキ(テノール)、他
 ソラメンテ・ナチュラリ/ディディア・タルパイン(指揮)


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